パリ五輪が8月11 日(現地時間)閉幕した。近代五輪の生みの親、クーベルタン男爵の母国での開催だったのに、数々の誤審や女子ボクシングへの出場資格など、騒動に事欠かなかった。初っぱなの開会式から躓き、友情や連帯をはじめとした五輪精神を踏みにじった。もう二度と、あの国の都市を開催地に選んではならぬ、と思った人は少なくなかったはず。なにせ開会式は、フランスに横たわる反宗教の左翼思想を、おぞましいパフォーマンスで世界に知らしめたのだから。
その象徴は、レオナルド・ダ・ビンチの「最後の晩餐」を模した演出だった。あの名画は、キリストと使徒12人による晩餐を描いたものだが、それをドラァグクイーンをはじめとしたLGBTと見られる人物たちがパロディーにしてしまった。しかも、その食卓には体を青く塗った男の裸があったのだから、世界中のキリスト教徒が信仰に対する冒涜だと激怒し、ローマ教皇庁も「あってはならない」と苦言を呈した。
さらには、フランス革命でギロチンにかけられた王妃マリー・アントワネットと思しき女性が生首を抱えて登場。革命で犠牲になった200万人の血を象徴するかのように、赤い紙テープと煙幕で演出をするという念の入りようで、到底まともな神経をしているとは思えない。しかし、それをフランス国民の86%が「成功的だった」と評価したというから、呆れて物が言えない。これは革命以来の反宗教のなれの果てと言っていいが、日本だって、他人事ではない。
あの開会式を「すばらしかった」と称賛したテレビ・コメンテーターがいたし、昨年はLGBT理解増進法の成立を阻止できなかった。これらは、国内に反宗教思想が蔓延してしまった証左である。さらには、フランスの「ライシテ」(厳格な政教分離)に見習えと主張する左翼弁護士がいるが、パリ五輪はその本性をさらしたという意味で非常に示唆的だった。
